Sound of Noise
2013年 スウェーデン/フランス/デンマーク 102分
監督:オーラ・シモンソン、ヨハンネス・ファーネ・ニルソン
『ひとつの町と六人のドラマー』という四楽章の曲にしたがって六人のドラマーが町に音楽テロのようなことをしかけ、病院では手術室と患者を楽器に変え、銀行では窓口業務周辺機材各種と札束を楽器に変え、ハイドンを演奏中のホールの前には重機類を持ち込んで、ということを始めるので、著名な音楽一家の生まれで名前も迷惑なことにアマデウスという音痴で音楽が嫌いでひたすらに静寂を求めている刑事が事件を追う。
構成は控えめだがバランスよく仕上がっている。四回にわたる音楽テロの場面で使われる曲はラディカルな現代音楽という感じでよくまとまっていてなかなかに楽しいし、無用な音楽の氾濫に対する反発にはなんとなく共感を感じていた。音痴の刑事を演じたベンクト・ニルソンという俳優が微妙な悲哀をにじませていい感じで、対する音楽テロリスト側のリーダーを演じたサナ・パーションも魅力的であった。これは悪くない。
Tetsuya Sato