The General
1998年 アイルランド/イギリス 120分
監督:ジョン・ブアマン
ケヴィン・スペイシー主演の『わたしが愛したギャングスター』のモデルになっている実在の泥棒マイケル・カーヒルの伝記映画。並べて見ると似たような場面が次から次へと登場してちょっと笑える。
ただしこちらは大真面目である。舞台はダブリンだが、地縁血縁的な泥棒一味の描写はどことなくシリトーを思わせる。また犯罪を職業とする一方で、家では家庭を大事にしていて、というのはデイブ・コートニーの回想録『悪党』を思わせないでもないが、ロンドンとダブリンの違いなのか、当人の性格に起因するのか、マイケル・カーヒルの生涯は今一つ不器用で痛々しい。
気骨はあるものの妙に痛々しく、そして少々間抜けな男の生涯をジョン・ブアマンがかっちりとした映画に仕上げている。