2015年9月26日土曜日

スクール・オブ・ロック

スクール・オブ・ロック
The School of Rock
2003年 アメリカ 110分
監督:リチャード・リンクレイター

ロック一筋の男デューイ・フィンは友達の家に事実上の居候状態で、職もなく、しかもバンドからも追い出され、金に困って名前をいつわり、名門私立小学校に補助教員としてもぐり込む。もちろんやる気などないので教壇を前に休憩を決め込み、時間を稼ぐことに専念するが、ふと耳にしたクラスの子供たちの演奏(愛のアランフェス)に触発されて、クラスでロックバンドを立ち上げる。それからはロック史にロック理論、実習と子供たちにロックの精神と基礎を叩き込み、そうすると子供たちも元気にデューイ・フィンのたくらみに乗る。
テンポが速く、全編にわたって乗りがよい。いくらでも錯綜させられそうなストーリーはシンプルに収め、物語はほとんどご都合主義的な景気のよさで終末を迎え、その盛り上がりは感動的。ジャック・ブラックがここではロックバカ一代に扮して悪乗りし、なかなかの魅力を発揮している。子供たちは個性をそろえ、対する大人たちのキャラクターはほどよくステレオタイプに押さえ込み、余計な悪役は登場させない。ほほ笑ましくて、幸せな映画である。


Tetsuya Sato