2013年2月13日水曜日

翼よ!あれが巴里の灯だ

翼よ!あれが巴里の灯だ
The Spirit of St. Louis
1957年 アメリカ 136分
監督:ビリー・ワイルダー

チャールズ・リンドバーグは大西洋無着陸横断飛行に旅立つ前夜からパリ到着まで。その合間にリンドバーグの郵便飛行機時代、どさ回り時代、空中サーカス時代、陸軍航空隊時代の回想が織り込まれ、さまざまなエピソードが紹介されていく。
ジェームズ・スチュワートは実用主義的な冒険家のリンドバーグを好演し、それぞれの回想シーンはよく作り込まれ、大西洋無着陸横断飛行の場面では実際にリンドバーグが経験したであろう孤独、睡魔、不安、恐怖などが巧みに練り込まれている。よくできた映画であると同時に優れた航空映画でもあり、"Spirit of St. Louis"については細部にわたる描写があって、離陸から着陸までがすばらしく魅力的に描かれているので、見終わった頃にはこの不格好な飛行機がなぜか好きになっていた。いろいろとすごい場面があるけれど、燃料切れの郵便飛行機からパラシュートで脱出すると、そのパラシュートに向かって無人となった飛行機が旋回しながら追ってくる場面はなかなか恐ろしかった。


Tetsuya Sato