2015年5月8日金曜日

Plan-B/ 変身

S5-E10
変身
 大学の環境調査プログラムが環境学者と数人の学生をとある島に送り込んだ。その島を囲む海は汚染が深刻な状態に達していた。周辺の農場からは化学肥料や抗生物質、成長促進剤が流れ込み、近くにある化学工場からは大量の廃液が流れ込んでいた。大量死した魚が浜辺を埋め、そこに大量死した海鳥の死骸が重なった。島の漁業は壊滅的な打撃を受け、もともと決して豊かではなかった島の住民は極貧層に転落した。環境学者と学生たちは浜辺を歩いてサンプルを集め、住民を集めて話を聞いた。住民の多くは栄養失調の状態にあり、しかも未知の疾患に冒されていた。かなりの数の住民に認知症の症状が認められた。骨が変形している者もいた。皮膚疾患に冒されて外見が変わっている者もいた。集会のあと、環境学者と学生たちは重症患者の様子を見て回った。ヤシの葉を編んだあばら家のなかに動けなくなった患者が転がっていた。全身が腫瘍に覆われ、腕や脚が奇怪に曲がり、人間の言葉を失ってけだもののように呻いていた。環境学者も学生たちも正視することができなかった。逃げるように島から戻って、悪夢にうなされる日々を迎えた。

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