S5-E12
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亀
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北極の氷の下から巨大な亀が出現した。この亀はホッキョクグマも顔をしかめる冷たい海を平然と泳ぎ、あり得ないことに炎を食べ、さらにあり得ないことに高速で回転しながら空を飛んだ。文明圏に到達すると現代人の疎外感を扱った文芸批評で一世を風靡し、神秘主義に関するひとを舐めたような著作に手を染めたあと、殺人に関する広範かつ浅薄な研究成果を発表した。その後はおもにワインの批評をしているという。
Copyright ©2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
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