A Million Ways to Die in the West
2014年 アメリカ 116分
監督:セス・マクファーレン
1882年、アリゾナのオールド・スタンプという町の近くで羊飼いをしているアルバート・スタークはあきらかに生まれてくる時代を間違えていて、そのせいで野蛮な西部に付属するあらゆるものを憎悪していたが、同時に西部の男としてのディスプレイがまったくできないという弱点を抱え、当然ながら西部の男としての自己肯定にも難点が抱え、恋人ルースに捨てられて失意のどん底にあるところへ町に現われた女アナと出会ってなぜか意気投合することになり、二人で野蛮な西部に付属する様々なものに憎悪を向けていると互いに肯定的な感情を抱き、そういう関係へ進んだところでアナには実は夫がいて、その夫が野蛮な西部でもっとも凶悪なガンマンであるところのクリンチであることが判明し、町に現われたクリンチはアナを捕えてアルバート・スタークに死を求め、アルバート・スタークは山で出会った先住民から勇気と知恵を授けられる。
セス・マクファーレン監督・主演で、アナがシャーリーズ・セロン、クリンチがリーアム・ニーソン、先住民がウェス・ステューディ、納屋にデロリアンを隠しているのがクリストファー・ロイド、ドラッグで飛んでいるときに聞こえる羊の声がたぶんパトリック・スチュアート、死体を増やすためだけに登場するのがジェイミー・フォックス。シャーリーズ・セロンがなかなかにいい感じだった。モニュメントバレーなどの撮影はきわめて美しいし、ほぼ一貫した古めかしい造作がなんとなくうれしいものの、映画自体はやはりマナティに書かせた脚本をそのままなぞったような気配があって、とにかくゆるい。笑えるところはたくさんあるが、とにかく下品。
Tetsuya Sato