Titan A.E.
2000年 アメリカ 95分
監督:ドン・ブルース、ゲイリー・ゴールドマン
30世紀の未来、エネルギー生命体のエイリアンによる攻撃で地球は消滅、生き残ったわずかな人類は難民となり、苦難の道を歩み、昆虫型その他のエイリアンに虐待されている。だがやがて人類の未来を託した巨大な宇宙船が宇宙の彼方の甚だ面倒な場所に隠されていることが判明し、一人の若者が探索の旅に出る。
冒頭、エイリアンの攻撃の画面を見ているうちに、こちらはなんとなく「黄金の船が、おお、おお、おお」などと呟いていたが、残念ながらそういう話ではなかった(当然だが)。実を言えばこれに限らず、話を壮大にするために地球を吹き飛ばすというやり口はあまり好きではない。ほかにいくらでもやりようはある筈で、話を作るために諸々の生き物に迷惑をかける必要はないと考えるのである。かなりリアルなCGを背景に、ロトスコープでアニメートされたと思しきキャラクターが動きまわり、両者の質感にかなりの落差があって、これに慣れるのに少々手間取った。話の筋立ては格別目新しいものではないし、単純な割りにはキャラクターの作り込みができていない。ただ、どちらかと言えばレトロ調の宇宙船はたいそうよろしい仕上がりで、それが元気に飛び回るシーンはけっこうな感動物。なんでキャプテン・フューチャーか何かにしなかったのか?
Tetsuya Sato