2013年11月17日日曜日

バビロン A.D.

バビロン A.D.
Babylon A.D.
2008年  アメリカ/フランス/イギリス 90分
監督:マチュー・カソヴィッツ

シャーロット・ランプリングが率いる宗教未満の怪しい団体が宗教以上になることを目指して怪しい奇跡を求めていた頃、新セルビアに住む傭兵のヴィン・ディーゼルは怪しいことを生業にしているジェラール・ドパルデューから運び屋の仕事を持ちかけられ、ミッシェル・ヨーの修道女と少女の二人をアメリカまで50万ドルで運ぶことになり、カザフスタンからロシアへ移動し、ウラジオストクで怪しい密輸業者のマーク・ストロングに助けを求め、潜水艦でベーリング海峡を渡り、無人戦闘機の攻撃を退けてカナダからアメリカへ入って目的地のニューヨークに到達するが、そこで少女の秘密のようなものが明らかにされ、死んだヴィン・ディーゼルを少女の父親のランベール・ウィルソンが蘇らせる。
ややスローテンポだが、個々の場面は作り込まれている。未消化のまま投げ出されている部分が見えるものの、視覚的な描写はエンキ・ビラルの描いた未来社会のようなところがあり、そう考えると未消化の部分もあっさりとした人物描写もそういうものか、という気になってくる。メラニー・ティエリー扮する少女オーロラの特異な美貌は見ごたえがある。シャーロット・ランプリングの悪役ぶりも悪くない。 

Tetsuya Sato