Master of the World
1961年 アメリカ 102分
監督:ウィリアム・ウィットニー
ジュール・ヴェルヌの『征服者ロビュール』と『世界の支配者』を映画化したということになっている。征服者ロバーは空中船アルバトロス号を使って各国の軍隊を無差別に攻撃し、脅威を与えることで世界を武装解除しようと企んでいた。目的は平和であったが手段に誤りがあったので、ロバー船長とアルバトロス号は悲劇的な最期を迎えることになる。たぶん『世界の支配者』の方を小学校の頃に読んだきりなので、原作のストーリーはほとんど記憶していない(もう少し派手な話だったような気がするが)。
船長がヴィンセント・プライス、船長の理想を理解しながらもアルバトロス号の爆破を企む合衆国政府の役人がチャールズ・ブロンソン、リチャード・マティスンの脚本は大時代なストーリーを90分強に大過なくまとめているという感じである。とはいえ特殊効果は水準が低いしアルバトロス号のミニチュアには愛がない。加えて船内のセットは安手で風格に乏しいし、アルバトロス号による攻撃の場面はストック・フィルムの使いまわしでどうにも迫力を欠いている。映画化した、という以上の意味はあまりない。
Tetsuya Sato