S2-E24
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逮捕
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男は夜のあいだに逮捕された。眠っていたところを叩き起こされ、黒い車に押し込まれて監獄へ運ばれ、電球が煌々と光る狭い監房に放り込まれた。説明はない。取り調べも始まらない。昼も夜も電球で照らされた監房で、ただ時間だけが過ぎていく。ようやく呼び出しを受けたときには、男はすでにくたびれていた。だが取調官はなにも説明しない。取調官のほうが説明を求めた。わからないと正直に答えた。男は監房に戻された。また電球の下で時間が緩慢に過ぎていく。しばらくしてからまた呼び出される。取調官は説明を求めている。わからないと答えて監房に戻る。それが何度も繰り返される。男は電球の光を見上げて、自分が犯した罪を探し始めた。
Copyright ©2014 Tetsuya Sato All rights reserved.
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