ドウエル教授の首
Zaveshchaniye professora Douelya
1984年 ソ連 87分
監督:レオニード・メナケル
父親の死を知って父親の研究所を訪れたアルトゥール・ドウエルは研究所の管理人の証言と事故現場の様子から父親が他殺された可能性を疑って友人の警官とともに調べ始め、一方、首になったドウエル教授の周辺ではコルン博士が教授が解き明かした生命の公式を探し求める。
ベリャーエフ『ドウエル教授の首』のレンフィルムによる映画化。コルン博士の陰謀のようなものを暴く、という範囲ではプロットはほぼ原作のままだが、キューバででもロケをしたのか、南洋の嵐から始まって、ほぼ全編で太陽がきらめき、登場人物はおおむね軽装で、男女が水着姿で浜辺でたわむれ、SONY、PANASONIC製品が画面に現われ、道をベンツ、ボルボなどが走っている。そういう背景描写に加えてクラブでの銃撃戦のシーンなどを眺めていると、なにか西側的でエキゾチックなものを作ろうとしたのではないか、手持ちカメラを多用したやや落ち着きのない映像からすると、これは遅れてやってきた70年代の映画なのか、という気もしてくるが、語り口はいつものままなので仕上がりは重たい。
Tetsuya Sato