Underworld: Evolution
2006年 アメリカ 106分
監督:レン・ワイズマン
一作目の結末でヴァンパイアと狼男のハイブリッドが誕生し、ヴァンパイア側の処刑人セリーンはこのハイブリッド男マイケルとともに追っ手をかわしている。一方、ヴァンパイア一味のほうでは元祖ヴァンパイアのマーカスが休眠から醒め、裏切り者のクレイヴンをさっさと始末すると本人にしかわからない理由でセリーンたちを追いかけてくる。そうしているあいだに周辺には謎の閣下に率いられた武装集団が金のかかった装備で出没し、セリーンの手中には事件を解く謎の鍵があり、謎の閣下の手中にも似たような形の鍵があり、ヴァンパイア一族の秘密を握っている男もどこかにひそんでいるようで、つまり、そういう謎が謎を呼ぶ仕組みはあまりわたしの好みではない。
一作目同様、もったいぶった展開で筋書きは中盤まで要領を得ないものの、とりあえず十三世紀初頭にあったそもそもの事情は判明するし、かたやヴァンパイア、かたや狼男でかれこれ八百年間も人類に迷惑をかけ続けている双子の兄弟には父親がちゃんといて、こちらはこちらで家名に泥を塗るまいと八百年間も息子たちの不始末の後片付けを続けているとかいうばかばかしい話は悪くない。ケイト・ベッキンセイルはあいかわらず美しいしあいかわらずアクション向きではないものの、演出の工夫があって一作目ほど不自然な感じにはなっていない。全体として演出力は向上しており、無駄も減っている。ハンガリーにはまったく行かずにバンクーバー周辺でロケされた東欧、FANTASY II製作とおぼしきミニチュアがいい感じ。
Tetsuya Sato