UnderWorld
2003年 イギリス・ハンガリー・ドイツ・アメリカ 121分
監督:レン・ワイズマン
ヴァンパイアの一族と狼男の一族のあいだには消しがたい因縁があって、そのせいでかれこれ600年ほども戦争が続いていて、ということでヴァンパイア側の処刑人セリーンはプラハの雑踏に狼男の姿を認め、仲間とともに追っていくと地下鉄の駅で激しい銃撃戦になり、戦いから戻ったセリーンは狼男たちが一人の人間を追っていたことに気づいてその人間の正体を探ろうとするが、再び現われた狼男の集団と交戦になり、ヴァンパイア側の公式見解としては狼男の一団は指導者ルシアンを失って力を失っていることになっていたが、セリーンの目にはそのように見えないし、危険が迫っていることをヴァンパイアの指導者クレイヴンに知らせてもクレイヴンはセリーンの訴えをなぜかかたくなに退け、そうしているうちに追われていた男コーヴィンは噛まれ、セリーンは危険の証拠を掴めずに袋小路に追い詰められ、思い余って掟を破り、地下で眠っていた長老の一人を目覚めさせるが、察するに寝起きが悪いのか話がどうにも要領を得ない。そうしているうちに狼男の一団の真意が明らかになり、追われていた男の正体も明らかになり、目覚めた御大が子分どもを引き連れて狼男の根城に殴り込んでいく。
城館にこもって絵に描いたように堕落しているヴァンパイアとか、その長老御一行が蒸気機関車を先頭に立ててお召し列車でやってくるとか、趣味的な映像はそれなりに面白いが、その先にそれほど工夫のある映画ではない。アクションはおもに銃撃戦である。ヴァンパイア側が硝酸銀の弾丸をサブマシンガンや自動小銃でばらまくと、狼男は狼男で紫外線式曳光弾を撃ち込んでくる。最初から最後までおおむねその調子なので、見ているうちに飽きてくる。狼男のほうは変身して襲いかかってくることもあるけれど、ヴァンパイアのほうは夜型であるということと多少頑丈であるという点を除くと人間とあまり変わらない(鏡にも映る)。黒髪にしたケイト・ベッキンセイルはとてもきれいだけど、走り方などを見ていると、あまりアクション向きのひとではないと思う。
Tetsuya Sato