S1-E29
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変異
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教授は人類の進化を人為的に促す必要があると主張していた。もし人類が植物の特性を獲得して光合成だけで生存できるようになるならば、将来の人口爆発にも食糧不足にも容易に耐えることができるだろう。教授は主張を単なる主張に留めてはいなかった。実践に乗り出して生体実験を繰り返した。学生をさらってきては実験台に拘束し、学生の遺伝子とハエトリグサの遺伝子とを混ぜ合わせ、教授が開発した細胞核破壊光線発生器から細胞核破壊光線を浴びせかけた。学生のからだを変異が襲った。失敗して怪物と化した学生は端から見世物小屋に売り飛ばした。成功例はひとつもないので、犠牲になった学生はことごとくが見世物小屋の見世物になった。学生は見世物小屋でいじめにあって、檻を破って町へ逃れた。ホームレスを次々に襲って養分をたくわえ、復讐を果たすために教授の実験室に現われた。
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