Spontaneous Combustion
1989年 アメリカ 97分
監督:トビー・フーパー
人体自然発火の話である。50年代の水爆実験で放射能への免疫実験がおこなわれる。その実験というのは爆心近くの地下シェルターに怪しいワクチンを投与した若い夫婦を座らせておくという無謀なもので、夫婦は生き延び実験は成功したものと思われたが、9ヶ月後、被験者はいきなり自然発火を起こして焼死し、直前に生まれた夫婦の子供は自らの出生の秘密を明かされないまま成長することになる。最初に大きく出る割には後になってしまりのなくなる脚本だが、テンポがいいので見てしまう。怪優ブラッド・ドゥーリフが自然発火体質の男を大熱演し、悲劇的な宿命に突き動かされてそこら中に火を放つのである。それもただ燃えるという感じではなく、人体から炎が柱になって吹き出すという感じで、これはなかなかに見応えがある。特別出演のジョン・ランディスもたいそう元気に火を吹きだして焼け死んでいた。
Tetsuya Sato