2012年9月17日月曜日

サラマンダー

サラマンダー
Reign of Fire
2002年 イギリス・アイルランド・アメリカ 101分
監督:ロブ・ボウマン

現代のロンドン。地下鉄の拡張工事現場で奇怪な空洞が発見され、そこからドラゴンが現われる。地上に出現したドラゴンはいかなる方法によってか大増殖を果たし、そこら中に火をかけて灰にして、遂に人類の文明を滅ぼしてしまう。それから20年ほどが経過して、イギリスではわずかな生き残りがノーサーバーランドの古い城に立て篭もり、飢えに苦しみながらドラゴンに脅えて暮らしている。そこへなぜかケンタッキー義勇軍が戦車や装甲車、ヘリコプターまで連ねて到着し、俺たちはドラゴンをやっつけると宣言する。恐るべきドラゴンの群れは実は一匹を除いてすべてがメスで、だったらただ一匹のオスを殺せば状況が打開できるのではないかとケンタッキーの人々は考えたのであった。ということで苦労しながらロンドンまで出かけていくのである。
城を抱え込むようにして翼を畳む巨大なドラゴン、スカイダイビングを使ったドラゴン狩り、ヘリコプターとドラゴンの空中戦、少々ゴシック調に荒廃した地上、というビジュアル・デザインの方が全体に先行していて、話の方はあまりうまくついていっていない。核兵器でも殺せなかったという割にはローテク兵器でやっつけているし、俺たちは飢えていると言う割には皆太っていて酒を飲んでいたり、と辻褄の合わないところも多かった。とはいえ城の中では幼い子供たちの楽しみのために『スターウォーズ』が「上演」されていたり(『ジョーズ』という演目もあるらしい)、ところどころでダイアログに妙なずれがあったりして、そのあたりはやっぱりイギリス映画なのであろう。ちょっと惜しい。


サラマンダー [DVD]
Tetsuya Sato