Predators
2010年 アメリカ 107分
監督:ニムロッド・アーントル
目が覚めたらはるか雲の上で地上に向かって落下していて、そこからパラシュートを使ってどうにかジャングルに降り立ったタフな傭兵、狙撃兵、ロシア兵、民兵、凶悪犯など8名がジャングルを抜け、断崖に立って天空の異様を目撃し(地球の空ではない)、怪生物の襲撃を受け、怪生物のあとを追って姿の見えない謎のエイリアンを発見し、ここはどうやら猟場で自分たちは狩られる運命にあると気づき、そこへ現れた謎の男の案内で隠れ家へ逃れ、謎の男はもっぱら隠れ身の術によって生き延びていて、そのためには手段を選ばないことがわかって袂を分かち、エイリアンの宇宙船を奪って地球へ戻るべきであると考え、その方角に向かって進んでいくといよいよエイリアンのほうも本格的に襲ってくるので一人消え、二人消えということになり、いよいよ逃げ場を失うとタフな傭兵が罠をしかけ、エイリアンに肉弾戦を挑んでいく。
エイドリアン・ブロディがタフな傭兵に見えるのに驚いた。キャラクターの構成とキャスティングがよくできていて、プロットもそれなりによく構成されており、演出も一定のテンションをたもつので、シリーズとしては出色の出来になっているのではないかと思う。
ダニー・トレホが早々と退陣するのが少々残念ではあるものの、ローレンス・フィッシュバーンの茶目っけぶりはなかなかに笑えたし、風が吹き渡る草原ではヤクザが日本刀を抜いて一騎打ちというシチュエーションも悪くない。
プレデター側に関して言えば、従来のプレデターはクラシック・プレデターになり、新たにバーサーカー・プレデターほか新種が出現しているものの、やはりどう見てもこの連中はずるをしているようにしか見えないので、あまり好きにはなれそうもない。しかし戦場からさらわれた連中はともかくとして、プレデターが凶悪犯のたぐいをいったいどうやって選んでいるのかは興味深いところであろう。毎日欠かさずにCNNでも見ているのではあるまいか。
Tetsuya Sato