Sunshine
2007年 イギリス・アメリカ 108分
監督:ダニー・ボイル
太陽が死にかけている、ということで巨大な核爆弾を投下して活を入れるためにイカロス1号が派遣されるが、これが遭難してしまうので、七年後、続いて送り出されたイカロス2号は順調に太陽への接近を続けるものの、途中、水星軌道を越えたところで遭難したはずのイカロス1号を発見、核爆弾を回収して使えば倍の効果が期待できるのではないか、と考えてイカロス1号に接近するが、間抜けなクルーが軌道変更にあわせて防護シールド(太陽熱を遮るためで、とっても大きい)の向きを変えるのを緊張して忘れていたため、シールドが破損、船長ほか1名が修理のために船外活動へ出て行くが、修理が間もなく終わろうというところでイカロス2号の酸素プラントで火災が発生、船を守るために船長が犠牲になり、鎮火のために酸素を大量に消費したことで残った乗員の生存も困難になり、だったら、ということで「冷たい方程式」な話をしているうちにイカロス1号に接近、ボーディング・ブリッジを出して4名のクルーが乗り込んでみると船内には人間の灰が舞い踊り、黒こげになったクルーが見つかり、いったいこれは、と怪しんでいるうちに船の位置がずれてエアロックが崩壊、ボーディング・ブリッジも壊れ、おまけに宇宙服が一着しかない、ということで一人が犠牲になってエアロックのドアを手動で開き、宇宙服を着込んだ一人と断熱材をからだに巻きつけた二人がイカロス2号を目指して飛び出していくが、ここでまた一人が犠牲になり、それでもまだ犠牲者が足りないということで「冷たい方程式」が蒸し返され、そこでどうにか帳尻があわせると、万事にもったいをつける要領を得ないコンピューターが、まだ一人多い、と言い始め、その一人はどこの誰だ、と探してみると、いったいどこから潜り込んだのか、頭のおかしくなったイカロス1号の船長が船内で破壊活動を始めていて、制御を失ったイカロス2号は使命の完遂が困難になり、最後の手段で核爆弾を手動で起動し、切り離された核爆弾もろともみんなで太陽に向かって落ちていく。
なにかにつけて投票で決めたがるようなままごとじみた連中を送り出すからこういうことになるのであろう。基本設定は『クライシス2050』、 後半の展開はなんとなく『イベント・ホライズン』という感じだが、登場人物は総じて魅力に欠け、演出は独りよがりで面白みがない。
Tetsuya Sato