2014年5月7日水曜日

アステリックスの冒険 秘薬を守る戦い

アステリックスの冒険 秘薬を守る戦い
Asterix & Obelix : Au service de sa Majeste
2012年 フランス/スペイン/イタリア/ハンガリー 111分
監督:ローラン・ティラール

カエサル率いるローマ軍がブリテン島への侵攻を開始し、ブリテン島の女王とその軍勢は多勢に無勢の状態でホビット庄みたいな村で籠城に追い込まれるが、女王は怪力を与える魔法の秘薬を求めて忠臣ジョリトリックスをガリアへ送り、ガリアにたどり着いたジョリトリックスは樽いっぱいの秘薬を手に入れ、樽を運ぶためにオベリックスとアステリックスも同行する。 
ローマ軍がいかにもローマ軍であるのに対して(元老院の会計監査が入ったりするが)、一方のブリテン島というのがきわめて忌まわしい形で19世紀だったり20世紀だったりしていて、ロンドンではちゃんと二階建てのバスが走っていて、パンクな連中がいたりする。ちなみにブリテン島の女王はカトリーヌ・ドヌーヴ。例によってかなりゆるめではあるものの、ジェラール・ドパルデューのオベリックスそっくりぶりは楽しいし、それなりに手間もお金もかかっているし、ということで、口を開けて見ている分には悪いことは何もない。 


Tetsuya Sato

2014年5月6日火曜日

ミッション・クレオパトラ

ミッション・クレオパトラ
Asterix & Obelix : Mission Cleopatra
2002年 フランス・ドイツ 108分
監督:アラン・シャバ

ゴシニ、ユデルゾのコミック『アステリックス』の映画化。ちょっと重たくて間抜けな雰囲気はよく出ている。
紀元前52年のエジプト、女王クレオパトラはエジプト人が世界に冠たる民族であることを証明するために、カエサルのための宮殿を三か月で完成させることにする。そのために選ばれたのがエジプトでいちばん暇な建築家ニュメロビスであったが、失敗すればワニのエサになると聞かされて、ニュメロビスは援助を求めてガリアへ旅立つ。ガリアに住むドルイドの魔術師パノラミックスから超人になる薬を分けてもらって、それでなんとかしようというひどく曖昧な魂胆であったが、パノラミックスからは薬の一般販売はしていないと言われ、ニュメロビスは落胆する。だが幸いにもパノラミックスにはアレキサンドリアの図書館に用があり、だからエジプトに同行しようという話になり、パノラミックスが腰を上げるとアステリックス、オベリックスも腰を上げ、途中、地中海で赤髭のバイキングを撃退しながら(というか、アステリックス、オベリックスが怖くて勝手に自滅していたが)みんなでエジプトまでやってくる。そしてニュメロビスが工事を進めていくと、その一方では宮廷建築家のアモンボフィスがニュメロビス失脚をたくらんで陰謀を進め、労働者を扇動したり、石材の輸送を妨害したり、カエサルと結託したりする、というような話がついてはいるが、一言で正体を言ってしまえばしつこくて野暮ったいギャグを満載したバラエティショーなのである。踊りもあるし、パロディもあるし(ローマの将軍はどこかで見たような形のヘルメットをかぶっているし、建築家対建築家の決闘がカンフー・モードに入っていくと台詞も広東語になってしまう)、アニメもあるし(アニメではないが、なぜか伊勢エビに関する意味不明の短編映画までが入っている)、とにかく盛りだくさんの内容で、それなりに手間もお金もかかっているし、ということで、口を開けて見ている分には悪いことは何もない。


Tetsuya Sato

2014年5月5日月曜日

ウォールストリート・ダウン

ウォールストリート・ダウン
Assault on Wall Street
2013年 カナダ 101分
監督:ウーヴェ・ボル

元海兵隊員のジェームズ・バックスフォードはニューヨークで警備会社に勤めてまじめに働いていたが、妻が難病にかかったせいで医療費がかさみ、医療保険の上限を超えたのでカードを使ったところ、今度はカードの金利が上がり、そこへリーマン・ショックが襲いかかって投資していた不動産デリバティブ関連商品が紙くずに変わり、投資会社からは追加の保証金を要求され、訴訟を起こすつもりが地方検事補には無視され、禿鷹のような弁護士には金をむしられ、住宅ローンが焦げついて家は銀行に差し押さえられ、借金があることがばれて会社からは解雇を言い渡され、絶望した妻はくだものナイフで自殺を遂げ、意を決して軍隊時代のM4を引っ張り出して家を出ると安ホテルを根城にウォール街の観察にかかり、金融関係者を端から殺し始める。 
主役がドミニク・パーセル、悪徳金融業者がジョン・ハード、悪徳弁護士がエリック・ロバーツ。製作、脚本、監督がウーヴェ・ボルという三重苦から生まれたにもかかわらず仕上がりは水準に達しており、一定以上の緊張感と集中力すら認めることができる、ということから、ウーヴェ・ボル自身がもしかしたらリーマン・ショックでなにか相当に損をしているのではないか、と疑いたくもなる。あか抜けてはいないものの、ふつうに面白い。 


Tetsuya Sato

2014年5月4日日曜日

ゴースト・エージェント R.I.P.D.

ゴースト・エージェント R.I.P.D.
R.I.P.D.
2013年 アメリカ 96分
監督:ロベルト・シュヴェンケ

ボストン警察に勤めるベテラン刑事ニック・ウォーカーは麻薬捜査中に金塊を手に入れ、相棒のボビー・ヘイズと図ってこれを着服しようと試みるが、気持ちが動いてやはり証拠として提出することに決めて、その決意をボビー・ヘイズに打ち明けるとボビー・ヘイズは犯罪組織との銃撃戦の最中にニック・ウォーカーを射殺、殺されたニック・ウォーカーはあの世に着いたところで神の審判を受けるか、それとも地上に戻って悪霊を逮捕する捜査官になるかという選択を提示され、神の審判を恐れたニック・ウォーカーは相棒のロイシーファス・パルシファーとともに地上に戻って悪霊退治に取りかかるが、愛する妻のことが忘れられないニック・ウォーカーは自宅でボビー・ヘイズの姿を認め、ボビー・ヘイズの行動を追ううちにあの世から亡者を呼び戻す悪霊たちの陰謀の存在を知る。
 ニック・ウォーカーがライアン・レイノルズ、ロイシーファス・パルシファーがジェフ・ブリッジス、悪役のボビー・ヘイズがケヴィン・ベーコン。最初のアイデア自体は決して悪くはないし、ところどころ笑えるところもあるものの、仕上がりは単調で面白みを欠き、ライアン・レイノルズは魅力がないし、ジェフ・ブリッジスは魅力を生かされていない。とりあえず見流す程度には悪くないが、身を入れて見るほどの映画ではない。


Tetsuya Sato

2014年5月3日土曜日

ターボ

ターボ
Turbo
2013年 アメリカ 92分
監督:デヴィッド・ソーレン

郊外住宅の小さな菜園で毎日トマトの収穫をして、毎日一匹ずつカラスに捕食されて諦観を抱えて暮らしているカタツムリのグループがいて、そのなかの一匹、テオはカタツムリらしからぬことにスピードにあこがれていて、毎晩のようにガレージでインディ500の録画を見て興奮したりしていたが、ある日遠出をしたところでストリートレース中の車のニトロ搭載のエンジンに巻き込まれ、それ以来スーパーパワーを身につけて猛スピードで走れるようになったものの、奇行が目にあまって集団の安全を脅かすという理由で兄のチェットともども菜園を追放されるはめになり、たまたま行き着いた先でタコス屋を営む兄弟の弟に拾われ、この弟がカタツムリレースの主催者であったことからテオは一気に才能を認められて、タコス屋を含むさびれた一帯の再興もかけてテオはターボの名でインディ500にエントリーすることになる。 
ターボがライアン・レイノルズ、兄のチェットがポール・ジアマッティ、いちばん頭のおかしい改造カタツムリがサミュエル・L・ジャクソン、ターボのスポンサーになる自動車修理工がミシェル・ロドリゲス、ターボがあこがれているトップレーサーがビル・ヘイダー。冒頭のインディ500のシーンの精密さがまず涙もの。大量に登場するカタツムリは殻も含めてみな個性を備え、レース用に改造されたカタツムリたちの異様な乗りもなかなかに楽しい。クライマックスのレースシーンも大迫力で、これがなぜ劇場公開されなかったのか、首をかしげる。


Tetsuya Sato

2014年5月2日金曜日

ルビー&カンタン

ルビー&カンタン
Tais Toi! 
2003年 フランス 85分
監督・脚本:フランシス・ヴェベール

カンタン(ジェラール・ドパルデュー)は銀行と間違えて両替所を襲い、両替所の係員から銀行の場所を教わって(そこの角だよ)銀行を襲い、逮捕されてぶち込まれる。ところがこのカンタンにはいつまででも喋り続けられるという恐るべき能力が備わっていて、カンタンの底知れぬしゃべくりに怒りを抱いた同房の囚人は次々とカンタンに襲いかかり、そこでカンタンは相手がいきなり襲いかかってきたことに驚きながらも腕力で撃退する(一週間で五人)ということを繰り返す。ルビー(ジャン・レノ)は暗黒街の男であったが愛人をボスに殺されて復讐を誓い、ボスの金を襲った強盗を襲って逮捕されてぶち込まれる。ルビーはいかなる魂胆からか、他人との接触を断って監房の壁をじっとにらみ、一言も喋ろうとしない。そこで警察はカンタンに目をつけ、ルビーの房にカンタンを送り、カンタンはいつまで喋っても決して怒りを抱かずにただ黙っているルビーに友情を抱き、というような話でジェラール・ドパルデューがアホを演じ、そこを中心にして全編に漂う間抜けな雰囲気は悪くない。

Tetsuya Sato

2014年5月1日木曜日

ミリタリー大作戦 シュミット教官大暴れの巻

ミリタリー大作戦 シュミット教官大暴れの巻
Morgen, ihr Luschen! Der Ausbilder-Schmidt-Film
2008年 ドイツ 93分
監督:マイク・エッシュマン

ドイツ陸軍のシュミット軍曹は新兵の教官を務める筋金入りの軍人で、だから頭の中身はほとんどからっぽで、実戦経験と言えばエルベ川が氾濫したときの災害出動くらいしかないにもかかわらず、あらゆる軍事に精通しているという根拠のない自信を抱え、サングラスと葉巻を離さず、突撃を夢に見て平和とヒッピーを忌み嫌うはなはだ暴力的な人物であったが、家では菜食主義の妻と仲良く暮らしている。そのシュミット軍曹が勤務する基地に架空の中東の国から王子とその妻が訪れて国連から統治権の移管を受けるという話になり、もちろん要人警護にも精通しているシュミット軍曹は来賓の警護を買って出るが、王子は目の前でテロリストにさらわれ、怪しい陰謀の渦中に飲まれ、捕えられてヒッピーの歌を65番まで聞かされるという拷問を受けたりするものの、どうにか事件を解決する。
それなりに笑えるところがあるし、変な二号戦車が出てくるし、笑えない侵略指向が垣間見えるあたり(オランダ占領して堤防壊したら絶対面白い)が面白いが、泥臭くて悪趣味なコメディである。 

Tetsuya Sato