Batman v Superman: Dawn of Justicek
2016年 アメリカ 152分
監督:ザック・スナイダー
スーパーマンの活躍が「9.11な惨事」を引き起こしてブルース・ウェインの従業員多数が死傷、原因はスーパーマンにあると信じたバットマンはスーパーマンに敵意を燃やし、そのスーパーマンの活躍ぶりが「9.11な惨事」を引き起こしているということでフィンチ上院議員による公聴会が始まり、そのスーパーマンはレックス・ルーサーの罠にはまって公的な立場が危うくなり、スーパーマン打倒をたくらむバットマンはレックス・ルーサーが集めた情報を盗み、レックス・ルーサーはクリプトナイトをインド洋から回収し、バットマンはそのクリプトナイトを使って槍を作り、またしてもレックス・ルーサーの罠にはまったスーパーマンはバットマンとの対決を強要され、ゾッド将軍はレックス・ルーサーの血を受け取って怪物となって蘇り、バットマンとスーパーマンの戦いにワンダーウーマンが参戦する。
すでに四十台のバットマンがベン・アフレック、ヘンリー・カヴィルが『マン・オブ・スティール』に引き続き暗くて重たいスーパーマン、レックス・ルーサーがジェシー・アイゼンバーグ、アルフレッドがジェレミー・アイアンズ。それぞれのカットはしっかりと構成されているが、カットの独立性が高く、映画としての連続的な流れは作られていないので映画というよりは、これは名場面集であろう。ベン・アフレックはバットマンをそれなりにこなしているし、ジェシー・アイゼンバーグは例によって魅力的な演技をしているが、あのほとんどジョーカーのようなものがレックス・ルーサーだと言われても少し困る。全体に薄暗くて暴力的で、本来ならばぶれるはずのないものが(つまりバットマンとスーパーマン)がぶれまくり、混乱しているというのも好きではない(好きではない、と言えばクラーク・ケントとロイス・レインの肉体関係を暗示する描写も好きではない)。というわけで、やっぱりザック・スナイダーの映画だった、ということになるのだろう。名場面集で2時間半持たせるのはたいしたものだが、やはり少し飽きてくるので、そうするとこちらはホリー・ハンターやダイアン・レインの美しい小じわを眺めてちょっと我慢することになる。
Tetsuya Sato