2017年1月20日金曜日

ボーダーライン

ボーダーライン
Sicario
2015年 アメリカ 121分
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

FBIの誘拐即応班のリーダー、ケイト・メイサーは部隊とともに野中の一軒家に突入して大量の死体を発見、麻薬カルテルがアメリカ国内で大規模な連邦犯罪を犯しているということから政府のかなり上のほうで決定された特殊部隊が組織され、ケイト・メイサーは事件の端緒に関わっているというようなことでFBIからこの特殊部隊に派遣されるが、その特殊部隊を指揮しているマット・グレイヴァーは身分を国防総省の顧問と言うだけではっきりさせず、その近辺で活発に活動しているアレハンドロにいたっては何者なのかわからない、というありさまで、作戦の説明も教えられないまま言われたままにエル・パソに移動するとそこでデルタ・フォースが部隊に加わり、部隊の車列がメキシコに入ってシウダー・フアレスの裁判所で麻薬カルテルの幹部を受け取り、アメリカに向かって護送していくと渋滞中の国境で銃撃戦が始まってカルテルの戦闘員が射殺され、カルテルの幹部は空軍基地に運ばれて拷問を受け、メキシコ国境に出撃した部隊はカルテルの麻薬輸送ルートに襲いかかって交戦規定なしでカルテルの人員を殺戮し、と万事においてこのありさまなので、法執行官として状況に耐えられなかったケイト・メイサーは一切を暴露するとマット・グレイヴァーを脅迫するが、そのときにはすでに作戦は終盤を迎えている。 
ケイト・メイサーがエミリー・ブラント、マット・グレイヴァーがジョシュ・ブローリン、アレハンドロがベニチオ・デル・トロ。監督は『ブレードランナー 2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ。ストイックな構成と緊張感の高い演出が好ましく、いまさらと言えばいまさらだがロジャー・ディーキンスの撮影がすごいし音楽もすごい。主役三人の演技もすごいが、それよりもすごいのはそこで扱われている冷血ぶりで、正直なところ、恐ろしさは半端なホラー映画の比ではない。 

Tetsuya Sato