Our Brand Is Crisis
2015年 アメリカ 107分
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
ボリビアの大統領選で泡沫候補カスティーリョの選挙戦略を受託したアメリカの選挙キャンペーン会社が最有力候補の選挙参謀にパット・キャンディが採用されるのを見てアパラチア山中に隠遁するジェーン・ボーディンを担ぎ出し、ボリビアへ運ばれたジェーン・ボーディンは高山病でひっくり返るものの、カスティーリョの選挙戦略を変更し、対立候補へのネガティブ・キャンペーンを展開し、支持率のポイントを次第に引き上げていく。
ジェーン・ボーディンがサンドラ・ブロック、パット・キャンディがビリー・ボブ・ソーントン。サンドラ・ブロックは体重を落としたのか、細身になっている。背景に使われている状況は2002年のボリビア大統領選でカスティーリョのモデルはゴンサロ・サンチェス・デ・ロサダであろう。映画はコメディのようにラッピングされているし、コメディのようにしか見えない部分もあるものの、民主主義における選挙の機能に対して辛辣な問いかけをおこなっており、ボリビアという舞台を選択することで問題がより圧縮される仕組みになっている。選挙によって政策を変えられるなら選挙は禁止されるはずだ、という劇中のセリフは名セリフだと思う。力作であろう。
Tetsuya Sato