2016年10月11日火曜日

ジェイソン・ボーン

ジェイソン・ボーン
Jason Bourne
2016年 イギリス/中国/アメリカ 123分
監督:ポール・グリーングラス

記憶を取り戻したジェイソン・ボーンがギリシア、アルバニア国境付近でストリートファイトをしていたころ、レイキャヴィクではニッキー・パーソンズが冷戦時代の古いPCを使ってCIAのネットワークに侵入、トレッド・ストーンだのトレッド・ストーンのアップグレード版のブラックブライアーだの最新プログラムのアイアンハンドだののファイルをダウンロードし、この侵入を検知したCIAのセキュリティ担当ヘザー・リーは侵入者の正体を特定して行動を監視、ニッキー・パーソンズがアテネでジェイソン・ボーンと接触するとCIAは抹殺チームを派遣するがあえなく全滅、ベルリンでも失敗し、ロンドンでも失敗し、いわば失敗だの不手際だのをもっぱらの身上とするこの組織の親玉ロバート・デューイはさらなる悪事をたくらんでSNS業界の大物アーロン・カルーアを脅迫、逃げ場を失ったアーロン・カルーアは自身とCIAとの癒着を暴露する決意をしてコンベンションが開かれるラスヴェガスへ飛び、パネルの共演者でもあるロバート・デューイとヘザー・リーもラスヴェガスへ飛び、唐突に父の死の真相を知ったジェイソン・ボーンもラスヴェガスへ飛ぶ。 
ジェイソン・ボーンがマット・デイモン、表情を殺しているとクール・ビューティに見えるけど一瞬でも表情が出ると意外と幼いヘザー・リーがアリシア・スタイルズ、CIA長官がいきなり出てきてただ悪いだけのトミー・リー・ジョーンズ、その直属の暗殺者がヴァンサン・カッセル。ヴァンサン・カッセルの老け方にちょっと驚いた。例によってCIAは層が薄くて、セキュリティ担当のヘザー・リーがなんでいきなり現場指揮という具合にプロトコルもよくわからないが、失敗だの不手際だのを身上としているので気にしてもしようがないのだと思う。とりあえず続編ということで出てきたけれど、ジェイソン・ボーンも何をすればいいのかわからないという感じで、全体としての冴えはあまりない。とはいえ、冒頭に近いアテネのデモ/暴動のシーンは一種異様な迫力があり、これはさすがにグリーングラスだと感心した。終盤のラスヴェガスのアクションはちょっとやりすぎかもしれないし、SWATの装甲車がいくらなんでも頑丈すぎ。 
Tetsuya Sato