2020年6月4日木曜日

『総理』電子書籍版あとがき 2020.6.1

 二〇二〇年が始まって未知のウィルスによる肺炎の流行が具体的な脅威として囁かれるようになったとき、そのあとの展開がどのようなものになるかを、わたしはまったく予想していなかった。コロナウィルスのふるまいに関する初期の情報は、特に疑いを抱くことなく受け入れていた。四日間の待機にしても、少ないように感じられる検査数にしても、なにかしらの疫学的根拠を備えたものだと考えていた。クラスター対策は有効で、適切な人員が適切な規模で投入されているのだと信じていた。たしかにクラスター対策は有効だったが、適切な人員が適切な規模で投入されていたわけではないとあとで知った。政府が招集した専門家委員会は手弁当の集まりで、政府の支援を受けていないとあとで知った。議事録を作っていないので議論の経過を検証できなくなっている、ということを知ったのは最近である。
 二〇二〇年の三月を通じて、政府の奇妙なふるまいが見えるようになってくる。国民の理解、という以上に開催地である東京都民の理解を等しく得ていない、ということに加えて国民が税金の使い方に疑問を抱き、そのせいなのかボランティアの集まりも最低で、選手村のベッドを段ボール箱でこしらえた東京五輪の予定どおりの開催に奇妙なまでに執着する。三月時点の状況を見れば、仮に開催しても無観客の上に無選手という状態になるであろうことは明らかなのに判断を逡巡し続ける。明日の遠足が雨で中止になりそうなので、てるてる坊主をせっせと作って軒下に並べ続ける小学生のようなふるまいをして、一年の延期をようやく決定すると、一年後にはワクチンができあがっていて完全な形で開催できると自分自身に言い聞かせる。運よくワクチンが完成したとしても供給にはそれなりの年数がかかるということを、もしかしたら誰かから聞いたのかもしれないが、気がついていないふりをしている。それともこれも嘘だったのか。そうだとすれば誰に嘘をついているつもりだったのか。
 二〇二〇年の四月に入ってアベノマスクという嘲笑的なキーワードが出現したあたりから、政府のふるまいはいよいよおかしくなっていく。いや、これは正確ではないだろう。政府のふるまいのもともとからのおかしさが、ただ見るだけで見えるようになっていく。見まいとしても見えるようになっていく。できることなら見たくなかった、というのが本音に近い。第一次安倍政権で安倍晋三が「美しい国」を連呼し始めたとき以来、わたしは政府を視界の外に押しのけていた。人生もすでに後半に入っていたし、そこで汚いものをわざわざ見て自分の時間を穢したくないと考えていた。わたしはそもそも発言する人間ではない。どちらかと言えば沈黙を好む。傍から見える限りにおいて無害であろうと努力していたし、不審な個人主義者であり続けることができるなら、あとはどうでもよいと考えていた。そのわたしが四月以降、政府の行動にいくらかの関心を抱くようになり、五月に入ったときにはほぼ逆上していた。自分の反応としては、これはまったく信じられないことである。

 今日、六月に入った。東京は薄曇りで断続的に小雨が降っている。この日にいたるまでの自公連立政権の乱調乱脈ぶりのいちいちをここに並べるつもりはない。並べるだけで不愉快になるし、不愉快なことはこのあともまだまだ続くだろう。
『総理』というタイトルを与えたこの掌編集は、五月二十五日の朝、ツイッターに唐突に投降した一編から始まっている。なぜ書き始めたのかは、正直なところわからない。ただ習性によって、というのがおそらく答えになると思う。なお投稿の開始にあたっては、北野勇作さんの『ほぼ百字小説』の存在に強く勇気づけられたことをお知らせしておきたい。卓越した先行事例があるならば、いつでもそれに励まされるからである。
ということで、北野さん、ありがとう。

佐藤哲也
2020.6.1

2019年12月2日月曜日

Fallout 4: Home Plate

ダイアモンドシティにある「自宅」。マーナという、なんというのか、いささか猜疑心の強い女性が経営しているダイアモンドシティ・サープラスという雑貨商のお隣で、寝床と作業台、やたらと細かく分類したせいでなにがなんだかわからなくなっているアイテム保管用のロッカーを除くとほぼ何もない。

おまけ。路上でバラモンと目があったところ。

2019年11月28日木曜日

Fallout 4: Echo Lake Lumber

ファーハーバーのドックに両親を失って弟の面倒を見ながらけなげに暮らしているスモール・バーサという少女がいて、自分のことだけでもたいへんだろうに島に残された路上生活者や島の人口減少のことを気にかけて、行き場に困った人々の受け入れ先として島の北西部にあるエコーレイク製材所が適切であると考えて手持ちのわずかなキャップと引き換えに製材所の確保を依頼してくる。
画像はスモール・バーサの依頼で確保したエコーレイク製材所。その昔は木こり祭りのたぐいが開催される場所だったようで、周囲には土産物屋や屋台の残骸、観覧席などがある。重武装したスーパーミュータントが真正面から襲撃をしかけてくるので防衛ラインはそれなりに厚い。
製材所中央にある建物の一階。
同じ建物の地階。調理台が置いてあるだけ。
建物の北側、観覧席の前をトウモロコシ畑に変えてある。
建物の東側に増築する形で入植者の住居を作る。
材木置き場をそのままバーに使っている。
エコーレイク製材所付近の通常の天候。放射能嵐によく見舞われるが、住民は気にしている様子がない。

2019年11月25日月曜日

Fallout 4: Dalton Farm

国立公園案内所の北西、海岸沿いにファーハーバーの名門ダルトン家の農場跡があり、ドックで逼塞しているダルトン家の末裔キャシー・ダルトンが抱えるさまざまな恨みを晴らすのに協力すると、この農場跡を頂戴できる。
農場とは言うものの、敷地の三分の一は海岸で占められ、海岸を見下ろす崖の上にいちおうの地面があるものの、もともとがこうなのか、それとも最近の隆起なのか陥没なのか、平坦な場所がほとんどなくて、およそ農場には向いていない。農場の入り口から延びる私道沿いに廃屋が並んでいるが、その痕跡から推定すると農場というよりも交易点としての機能のほうが大きかったのではないか、という気がする。下の画像は私道沿いの廃屋を眺めたところ。
 キャシー・ダルトンは農場を引き渡すのと同時にひとを送り込んでくるので、彼らを食べさせるためにとにかく畑が必要になる。廃屋の裏手にマットフルーツの畑の畑を作り、海岸に近い崖沿いには塩害に強いに違いないと勝手に解釈しているテイトを植える。入植者の住居はおもに崖の上。
入植者たちの居室。
入植者たちの小屋を崖の下から見上げたところ。小屋と小屋は階段や通路でつながれ、隙間に店がもぐり込んでいる。
廃屋付近を物色するスカベンジャー。
南西側の防御ライン。霧コンデンサーがダウンすると南北両方向から魑魅魍魎の攻撃を受ける。


2019年11月12日火曜日

Fallout 4: National Park Visitor's Center

ファーハーバーのドックにあるパブ『ラスト・プランク』の主人ミッチから親戚のケンおじさんの安否を確認してほしいという依頼を受け、島にある国立公園ビジターセンターの廃墟を訪れて頑固者のケンおじさんに挨拶をすると「国立公園案内所」のワークショップが解放される。島の怪物が大挙して襲ってくるのでワークショップを使ってなんとかしろ、という主旨だが、手ぶらでいった場合にはマシンガン・タレット一門を作るのがせいぜいなので、飛び出していって戦ったほうが話は早い。
ビジターセンターの入り口。ゲートの先にはケンおじさんが仕掛けたトラップがある。
 屋根が崩れたビジターセンター。見張り台はケンおじさんが作ったものだと思っている。
ビジターセンターの前庭に入植者のための住居を作る。入り口の方向へスカベンジャーが歩いていく。
入植者用住居からビジターセンターとワークショップを眺めたところ。
屋上。
バー、交易店はビジターセンターのテラスに配置している。
国立公園のビジターセンターなので、ということでゲート内に土産物店を追加する。ここには電気が来ていないので、DLC『Far Harbor』で追加された瓶ランタンを明かりに使っている。


2019年11月4日月曜日

Fallout 4: Longfellow's Cabin

DLC『Far Harbor』。連邦の北東のはずれにあるナカノ氏の家を訪れて行方不明になった娘カスミの捜索を引き受けると海路を進んで北の島ファーハーバーにたどり着く。Fallout 4 大辞典によると島のモデルになっているのはメイン州にあるマウントデザートアイランドとのこと。
島は放射能を帯びた霧に汚染されていて、住民はドックに退避して霧にひそむ怪物と戦っている。ドックのリーダーをしているアヴェリーから案内人としてロングフェローという名の老人を紹介されるので、この勇敢な割には繰り言の多い老人にしたがってカスミの所在を示す手がかりを追っていくとロングフェロー氏の小屋がある小島のワークショップが解放される。
画像中央がロングフェローの小屋。その奥に見える二階屋が追加したもの。右手に見える建物にはワークショップが入っているが、もとは半身であったものを右にもう半身を追加して発電機室に使っている。
発電機室と揚水ポンプ。
西側からの景観。ロングフェローの小屋は左端。建て増しした二階屋のさらに左手には屋上に菜園が作られている。
屋上菜園の様子。
建て増し部分の二階にある入植者の居室。
住民のアルコール摂取の頻度は連邦よりも高いような気がしている。
小島を横切る形で設置された防衛施設。手前で光っているのは霧コンデンサーと呼ばれる装置で、放射能に汚染された霧をとらえて圧縮する機能を備えている。この霧コンデンサーによって霧にひそむ怪物は接近が阻まれるという仕組みだが、コンデンサーがダウンすると怪物の群れが大挙して押し寄せてくる。連邦に比べると怪物が巨大化している上に押し寄せてくる数も半端ではないので防衛施設も協力になる。コンデンサーがダウンしなくてもスーパーミュータントやレイダーに相当するトラッパーが襲ってくる。そしてこれも連邦とは異なる点になるが、トラッパーの襲撃を受けると入植者のほうでこの状況を放置しておく必要はないと宣言し、それと同時にトラッパーの拠点まで反撃しにいくクエストが発生する。入植者が大挙して反撃、という形であればもっと面白くなったような気がするが、さすがにそこは限界があるのか、反撃に立つ入植者は常に一人だけ。
対岸にファーハーバーのドックの明かりが見える。

2019年10月30日水曜日

Fallout 4: Nuka-World Red Rocket

『Fallout 4』のDLC『Nuka-World』を入れるとヌカコーラ社が作った広大なテーマパークの残骸が連邦の西に出現する。中心部にあるアーケード跡を利用してトレーダーが市場を開いていたところへ3つのレイダーからなる武装集団が攻め込んでトレーダーを奴隷化したあと、おそらくは怠惰から、そのまま停滞状態に陥っていて、そこへ乗り込んでいくとレイダーの総支配人に祭り上げられて停滞状態打破の材料にされる。その流れで進むとヌカワールドを構成する5つのエリア『キッディキングダム』『ドライロックガルチ』『ギャラクティックゾーン』『サファリアドベンチャー』『ワールド・オブ・リフレッシュメント』のそれぞれの問題を解決してレイダー集団に連邦進出の足掛かりを提供することになるが、そこまでを善人としてプレーしているとここでいきなり悪行に関わることがどうにも不自然になる。そこでそうした不自然さを回避するためにそこまでを可能な限り悪人としてふるまうように注意しておく。
ちなみに『Fallout 3』のころのレイダーはカニバリズムをいとわない殺人集団として描かれていて、「おまえは死肉のかたまりさ」などと叫んで襲い掛かってきたものだが、続く『New Vegas』ではまがりなりにもコミュニケーションが可能な相手になり、『Fallout 4』ではそれなりに合理的な目的を掲げたギャングに変わっている。しかもギャング生活を続けることで先行きに不安を感じてガンナーに転向するレイダーもいるし、ガンナーに転向したものの昇進の機会が得られずに不満を感じている元レイダーもいる。ついでながら、レイダーやガンナーに転向したミニッツメンも存在する。「種族性」におけるこの垣根の低さは『Fallout 4』の特徴になっているように思う。
『Nuka-World』の北東、『ワールド・オブ・リフレッシュメント』に付属するヌカコーラの瓶詰工場のすぐ東側に廃墟になったガソリンスタンドがあって、ここを入植地にすることができる。画像は瓶詰工場を背にするプロビジョナー。
ヌカワールド レッドロケットの全景。連邦のチェーン店では屋根にロケットがのっているが、ここでは巨大なヌカコーラのボトルがのっている。
南側にそこそこに広い平地があり、すでに畝が整備されている。ここではトウモロコシを育てている。
初期入植者の小屋。住民は農業と廃物回収を担当している。
ガソリンスタンドの向かいにある建物。
一階にはバーが入っている。
一日の仕事を終えてバーを目指す入植者。
二階にある床屋。
同じ建物の三階はバー関係者などの居室になっている。
バーがある建物の北側。スカベンジャーの小屋、小さなバー、小さな交易店などがひしめいている。
ガソリンスタンドの屋根の上の防衛施設。北東側に隣接する建物でレイダー、ガンナー、スーパーミュータントなどが騒動を起こす上に、真北からはそれなりに強力な武装をした連中が攻め込んでくる。