2017年5月22日月曜日

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
Guardians of the Galaxy Vol. 2
2017年 アメリカ 121分
監督:ジェームズ・ガン

前作の結末でなにげなしに徒党を組んだピーター・クイルほかの面々は金ぴかな割にはなにか微妙に吝嗇で間抜けな感じがする人々が住む惑星ソヴリンで非常に高価なものを守る仕事を請け負って任務は成功させるものの惑星ソヴリンの住民からなにかこう微妙に下衆な気配を読み取ったアライグマのロケットは盗みたいから盗むという理屈でその非常に高価なものをまとめて強奪するのでピーター・クイルとその一味は惑星ソヴリンの支配者アイーシャからなにかこう微妙に吹っ切れない感じがする猛追撃を受けて某所の惑星に不時着、そこでピーター・クイルは生まれて初めて父と出会い、エゴと名乗るこの父の案内でガモーラ、ドラックスとともに彼方にあるエゴの惑星に飛び、その微妙に悪趣味が花開いたとしか言いようのない惑星でピーター・クイルはエゴが自分自身で見つけ出したおまえのエゴとしか言いようのない使命を共有するように迫られ、そうしているあいだに某所惑星に残ったロケットとベビー・グルートはいまや賞金首となった、ということでヨンドゥ率いるラヴェジャーズの一団に包囲され、ところがヨンドゥは部下テイザーフェイスの裏切りというか叛乱にあい、ガモーラの妹ネビュラはテイザーフェイスの裏切りになんとなく加担した形で快速船を手に入れてガモーラに勝つためにエゴの惑星を目指して宇宙へ飛び立ち、テイザーフェイスの手から逃れたヨンドゥ、ロケット、ベビー・グルートもまたエゴのたくらみに気がついてエゴの惑星へ飛ぶ。 冒頭、カート・ラッセルがとてつもなく80年代の髪型で現われたところで「やるところまでやる」というこの映画の決意を見たような気がした(そして「やるところまでやる」のでこのカート・ラッセルは主人公ピーター・クイルのイメージの中で『ナイトライダー』のデヴィッド・ハッセルホフにすり替えられる)。それぞれにおのれの人生の使命を探す登場人物が傍から見れば雑念と偏見のかたまりにしか見えない、という点ですぐれたコメディであり、そのパワーは前作をはるかに上回っている。比較するのがそもそもおかしいのかもしれないが、こういうものをマーベル・スタジオが作っている隣で『スターウォーズ』がまだあれをやるのか(しかもギャレス・エドエワーズが『ローグ・ワン』であれをやったあとで)、というのは少しく気になるところではある。
Tetsuya Sato