2016年9月20日火曜日

アーロと少年

アーロと少年
The Good Dinosaur
2015年 アメリカ 93分
監督:ピーター・ソーン

トウモロコシを栽培している農家の次男坊の少年が生活における恐怖心を克服できないまま成長に二の足を踏んでいると川に落ちて激流にもまれてはるか遠方の地に流され、そこで出会った動物に助けられて家を目指して歩き始めて、途中でさまざまな苦難に出会いながらも少年は動物と力をあわせて切り抜けていく。
隕石がはずれて恐竜が大絶滅しなかった地球での話なので、トウモロコシ農園を営んでいる一家は竜脚類(アパトサウルス?)、旅の途中で出会う世捨て人のようなのがスティラコサウルス、牧畜を営んでいるのがティラノサウルス、そのティラノサウルスの牛を盗む悪党どもがラプトル、なにかと絡んでくる流れ者の悪党集団がなんだかよくわからないけど翼竜で、主人公と旅をして、なにかとワンコな活躍をするのが人間の子供。ティラノサウルスの意外な設定と活躍ぶりは面白いが、少年向け西部開拓史読み物にありそうな話を特殊な背景に置き換え、ただそのまんまやっている、という感じで、仕上がり自体は悪くはないものの、なにかひどく古めかしい。ただCGによる水の表現には息を呑んだし、Photoshopかなにかでカレンダー用に加工したような世にも美しい自然景観をゼロから起こして動画にして、というのをまざまざと見せられると、かかった手間の数をつい想像してめまいがする。
Tetsuya Sato