Dad's Army
2016年 イギリス 99分
監督:オリバー・パーカー
1944年、連合軍がフランス侵攻を間近に控えていたころ、ドーバーの小さな町でホームガード(国防市民軍)の隊長を務めるマナリング氏はドイツのスパイを警戒せよとの命令で海岸一帯のパトロール任務に就くことになるが、それとときを同じくして美貌の女性記者ローズ・ウィンターズがロンドンから到着してホームガードの取材をすると告げるのでマナリング氏以下ホームガードの隊員たちは激しく興奮することになり、マナリング氏がウィンターズ嬢に粉をかければホームガードの軍曹でマナリング氏が支店長を務める銀行の行員であり、オックスフォードの出身でもある高学歴のウィルソン氏は(経緯はまったくあきらかにされないものの)ウィンターズ嬢がかつての自分の教え子であり、師弟恋愛寸前の関係にあったことをただちに思い出し、ホームガードの二等兵で偏平足で軍隊にいけなかったパイク青年はウィンターズ嬢にすぐさま恋して地元の娘ヴェラとの関係を劇的に終わらせ、同じく二等兵で地元で闇屋をしているウォーカー氏は自分の仕入れ先をウィンターズ嬢にべらべらとしゃべり、そしてもちろんドイツのスパイでコブラの暗号名を持つウィンターズ嬢はホームガードの男どもを手玉に取って地元の女性本土防衛隊(隊長はマナリング氏の奥さん)の反発を買いながらウォーカー氏を利用してドーバー要塞の秘密に接近する。
Amazon Primeで鑑賞。1968年からおよそ10年ほどBBCで放映されたTVシリーズの映画化で、話はケン・フォレットの『針の目』とほぼ同じ。マナリング氏がトビー・ジョーンズ(たしかフランク・ダラボンの『ミスト』で店長をやっていたひと)、ウィルソン氏がビル・ナイ、ウィンターズ嬢がキャサリン・ゼダ=ジョーンズ、ホームガードの間抜けな兵隊のなかにはマイケル・ガンボンが混じっているという豪華キャストで冒頭のロンドンを含めて大戦下の様子などは雰囲気があるが、全体としては非常に古めかしいコメディを古めかしい演出でやっていて、その全体としてゆるめの雰囲気を俳優たちが非常にリラックスして楽しんでいる。こちらとしてはなにかしらモダンな毒気がほしいところだが、こういうコメディもたまには必要であろう。